3月31日(現地時間)、ウェンブリー・スタジアムで行われるイングランドvs日本。当初は「W杯本番仕様のベストメンバー」が予想されていたが、ウルグアイ戦後に主力8名が相次いで離脱する事態に。トゥヘル監督はどんな布陣で日本に臨むのか——英紙の予想をベースに、フォーメーションと全11人、そして注目選手5名を徹底分析する。
「日本代表チームが好きだ。彼らと対戦できるのは光栄だよ。面白い試合になるだろう」——トーマス・トゥヘル(イングランド代表監督)
主力8名が離脱——何が起きたか
ウルグアイ戦(1-1)の翌日、イングランド代表から以下の8名の離脱が発表された。
| 選手 | ポジション | 所属 | 理由 |
|---|---|---|---|
| ブカヨ・サカ | FW | アーセナル | メディカルチェックのため帰還 |
| デクラン・ライス | MF | アーセナル | メディカルチェックのため帰還 |
| ノニ・マドゥエケ | FW | アーセナル | ウルグアイ戦で負傷 |
| ジョン・ストーンズ | DF | マンチェスター・C | トレーニング中に問題発生 |
| フィカヨ・トモリ | DF | ACミラン | コンディション不良 |
| アダム・ウォートン | MF | クリスタル・パレス | ウルグアイ戦で負傷 |
| アーロン・ラムズデール | GK | ニューカッスル | コンディション不良 |
| ドミニク・キャルバート=ルーウィン | FW | リーズ | コンディション不良 |
最も大きな影響を受けるのは右ウイング(サカ&マドゥエケの両方が離脱)、アンカー(ライス不在)、センターバック(ストーンズ&トモリの2枚が抜けた)の3ポジション。特にサカとマドゥエケの同時離脱により、スクワッドに残る自然な右ウイングはジャロッド・ボーウェン(ウェストハム)のみとなった。
予想フォーメーション:4-2-3-1
英紙『The Standard』や『Sports Mole』の予想をベースに、トゥヘル監督はウルグアイ戦から全員を入れ替える「11人チェンジ」で日本戦に臨むと見られている。
| フォーメーション | 4-2-3-1 |
|---|---|
| GK | ジョーダン・ピックフォード(エバートン) |
| RSB | エズリ・コンサ(アストン・ヴィラ) |
| RCB | マルク・ギュエイ(マンチェスター・C) |
| LCB | ダン・バーン(ニューカッスル) |
| LSB | ニコ・オライリー(マンチェスター・C) |
| CM | エリオット・アンダーソン(ノッティンガム・フォレスト) |
| CM | ジェームズ・ガーナー(エバートン) |
| RW | ジャロッド・ボーウェン(ウェストハム) |
| AM | ジュード・ベリンガム(レアル・マドリード)or モーガン・ロジャーズ(アストン・ヴィラ) |
| LW | アンソニー・ゴードン(ニューカッスル) |
| CF | ハリー・ケイン(バイエルン・ミュンヘン) |
全11ポジション解説
GK ピックフォード——トゥヘル体制での不動の正GK。ウルグアイ戦は休養し、日本戦に万全の状態で臨む。
RSB コンサ——ストーンズ離脱によりCBからRSBにスライドする可能性。アストン・ヴィラでの実績に加え、複数ポジションに対応できるユーティリティ性が買われた。ベン・ホワイトが右SBに入る予想もある。
CB ギュエイ&バーン——ギュエイはマンチェスター・C移籍後も代表の中心。ストーンズ&トモリの離脱により、左CBはダン・バーン(ニューカッスル、196cm)が務める。空中戦の強さは随一。
LSB オライリー——マンチェスター・Cの若手LB。トゥヘル体制で継続的に招集されており、ここが「W杯の正LSBを争うオーディション」の場になる。
CM アンダーソン&ガーナー——ライスの穴を2人で埋める形。アンダーソン(ノッティンガム・フォレスト)は守備的な役割、ガーナー(エバートン)はウルグアイ戦でデビューを果たしたばかりで、ここが真価を問われるテスト。メイヌー(マンチェスター・U)がガーナーに代わる可能性もある。
RW ボーウェン——サカとマドゥエケの同時離脱で、消去法的にスタメン入り。ウェストハムでは今季プレミア6ゴールと安定した数字を残しており、チャンスをモノにしたいところ。
AM ベリンガム or ロジャーズ——最大の焦点。ベリンガムが入れば華のある攻撃が期待できるが、トゥヘルは「コンディションを念入りに確認する」と述べており、ロジャーズ(アストン・ヴィラ)の先発もあり得る。
LW ゴードン——今季CL10ゴールの大ブレイク中。左サイドからカットインしてのシュートが持ち味。日本の右サイド(菅原由勢・橋岡大樹)との1対1は試合の鍵を握る。
CF ケイン——今季バイエルンで全コンペティション41ゴール。ブンデスリーガ得点王を独走中。日本のCB陣にとって最大の脅威。
トゥヘル監督はウルグアイ戦とは全員を入れ替える方針。これは35人招集の「二部構成」戦略の集大成であり、日本戦メンバーが「W杯候補のファーストチョイス」に近い。ただし8名離脱により、ライトウイングと中盤アンカーは「ベストではない代替案」での臨戦となる。
注目選手5名
1. ハリー・ケイン(バイエルン・ミュンヘン/CF)
| 項目 | データ |
|---|---|
| 今季成績 | 35試合 41ゴール(全コンペティション) |
| ブンデスリーガ | 26試合 31ゴール 5アシスト |
| 得点ペース | 69分に1ゴール |
今季ブンデスリーガ31ゴールでレヴァンドフスキのシーズン最多記録(41ゴール)に迫る勢い。ポストプレーからのリンクアップとペナルティエリア内のフィニッシュは世界最高峰。日本のCB陣は90分間、一瞬たりとも集中を切らせない覚悟が必要だ。
2. ジュード・ベリンガム(レアル・マドリード/AM)
| 項目 | データ |
|---|---|
| リーガ | 18試合 4ゴール 3アシスト |
| CL | 7試合 2ゴール 1アシスト |
| 年齢 | 22歳(2003年6月生) |
トップ下でのプレーが予想されるが、トゥヘルは「コンディションを確認する」と慎重。レアル・マドリードでは今季やや数字を落としているが、ボックス内への飛び出しとゴール前での冷静さは依然として脅威。田中碧・藤田譲瑠チマとのマッチアップが見どころ。
3. アンソニー・ゴードン(ニューカッスル/LW)
| 項目 | データ |
|---|---|
| プレミアリーグ | 25試合 6ゴール 2アシスト |
| CL | 12試合 10ゴール 2アシスト |
| 特徴 | 左サイドからのカットイン&シュート |
今季のサプライズはCL10ゴールという驚異的な数字。ニューカッスルのCL躍進を牽引する左ウイングは、カットインからの右足シュートが最大の武器。サカ離脱により、ゴードンがイングランド攻撃陣の「最も危険な選手」になる。日本の右サイドの守備は要警戒。
4. ベン・ホワイト(アーセナル/DF)
| 項目 | データ |
|---|---|
| 代表歴 | 4年ぶりの復帰(2022年カタールW杯以来) |
| ウルグアイ戦 | 1ゴール&PK献上(ブーイングの中でプレー) |
| 本職 | CB / RSB(アーセナルでは右SBが主戦場) |
ウルグアイ戦で4年ぶりに代表復帰し、先制ゴール&PK献上という波乱のデビューを飾った。ストーンズ離脱で右SBかCBでの先発が有力視される。アーセナルでの経験値は申し分なく、三笘薫との対峙が実現すれば今大会屈指の個人マッチアップになる。
5. マルク・ギュエイ(マンチェスター・C/CB)
| 項目 | データ |
|---|---|
| 移籍 | 2025年夏にクリスタル・パレスからマンチェスター・Cへ |
| 代表での役割 | トゥヘル体制の守備の柱 |
| 特徴 | 対人守備の強さ&ビルドアップへの貢献 |
ストーンズ離脱で最終ラインの中心を託される。マンチェスター・C移籍後はペップの下でビルドアップ能力が格段に向上。対人守備の強さにも定評があり、上田綺世や三笘薫との1対1でどこまで抑えられるかが見どころ。
日本が突くべき3つの弱点
(1)中盤の守備力低下:ライス不在でアンダーソン&ガーナーのコンビは代表での実績が浅い。日本のシャドー(鎌田・堂安)が積極的にライン間で受ければチャンスが生まれる。
(2)右サイドの攻撃力ダウン:サカ&マドゥエケ離脱でボーウェンが唯一の右ウイング。日本の左サイド(三笘・伊藤洋輝)が対面で優位に立てる可能性。
(3)CB間の連携不足:ギュエイ&バーンはコンビとしての実戦経験が少ない。ハイプレスで慌てさせれば、ビルドアップのミスを誘える。
(1)サカ・ライス・ストーンズら主力8名離脱で、当初想定の「ベストXI」からは大きく変更。ただしケイン・ベリンガム・ゴードンら世界クラスの攻撃陣は健在。
(2)予想フォーメーションは4-2-3-1。最大の焦点はトップ下(ベリンガム vs ロジャーズ)と右SB(コンサ vs ホワイト)の選択。
(3)日本にとっては「中盤のプレス」「左サイドの仕掛け」「CBへの圧力」が勝利の鍵。8名離脱で生まれた隙を突けるかが勝敗を分ける。