イタリア代表の悪夢が三度繰り返された。現地時間3月31日、W杯欧州予選プレーオフ・パスA決勝でボスニア・ヘルツェゴビナに1-1(PK1-4)で敗れ、3大会連続でW杯本大会出場を逃した。2018年ロシア大会、2022年カタール大会に続く屈辱——4度のW杯優勝を誇るアッズーリに、一体何が起きたのか。

大会W杯欧州予選プレーオフ パスA 決勝
対戦ボスニア・ヘルツェゴビナ 1 - 1 イタリア(PK 4-1)
日時2026年3月31日
会場ビリノ・ポリエ・スタジアム(ゼニツァ)
得点者[伊] ケーン(15分)/ [ボ] タバコビッチ(79分)
退場[伊] バストーニ(41分・一発退場)

試合展開——先制、退場、そしてPK戦の悲劇

試合は理想的な形で始まった。15分、MFバレッラが相手GKのキックミスを奪い、FWモイゼ・ケーンへスルーパス。ケーンが右足ダイレクトで冷静にゴールネットを揺らし、イタリアが先制した。ケーンはこれで代表6戦連発という絶好調ぶりだった。

しかし41分、暗転する。DFアレッサンドロ・バストーニが抜け出したボスニアのFWメミッチをスライディングタックルで倒し、一発退場。イタリアは残り50分以上を10人で戦うことを強いられた。

POINT 1 バストーニの退場が全てを変えた

インテルで不動のCBを務めるバストーニの退場は、試合の流れを一変させた。1-0でリードしながらの退場は、守り切る戦術を取らざるを得ない状況を生み出した。ガットゥーゾ監督は5バックに切り替えて耐えたが、79分にFWハリス・タバコビッチに同点弾を許した。10人でここまで耐えたイタリアの粘りは称賛に値するが、バストーニの判断ミスが取り返しのつかない代償となった。

後半はボスニアが10人のイタリアを押し込み、79分にタバコビッチがヘディングで同点に。その後もイタリアは懸命に守り、延長戦でも決着つかず。迎えたPK戦では、FWピオ・エスポジートとMFブライアン・クリスタンテが失敗。ボスニアは4人全員が成功し、4-1でイタリアの夢を打ち砕いた。

3大会連続敗退——データで見るイタリアの凋落

大会予選結果敗退相手
2018年ロシアW杯プレーオフ敗退スウェーデン(0-1/agg)
2022年カタールW杯プレーオフ敗退北マケドニア(0-1)
2026年北中米W杯プレーオフ敗退ボスニア(1-1、PK1-4)

2006年W杯優勝、2012年EURO準優勝、2021年EURO優勝と栄光の歴史を持つイタリアが、なぜW杯に出られないのか。予選グループでは2位に終わり、プレーオフに回った時点で既に危険信号だった。

POINT 2 ボスニアの歴史的快挙——2014年以来の本大会出場

一方で、ボスニア・ヘルツェゴビナにとっては国史上2度目のW杯出場という歴史的快挙だ。2014年ブラジル大会以来12年ぶり。ゼニツァのスタジアムは歓喜に包まれ、タバコビッチの同点弾は国民的英雄の瞬間となった。W杯ではグループEでスペイン、アルゼンチンと同組になる厳しい組み合わせだが、プレーオフでイタリアを倒した自信は大きい。

ガットゥーゾの敗北——「このような夜のために生きている」

ガットゥーゾ監督は試合前に「監督キャリアで最も重要な試合」「このような夜のために生きている」と語っていた。しかし結末は残酷だった。2021年EURO優勝の栄光から5年——イタリアサッカーは深刻な構造的問題を抱えていることが改めて浮き彫りになった。

TAKEAWAY イタリア3大会連続敗退の衝撃

(1)ケーンの先制弾もバストーニの退場で暗転。10人で50分以上耐えたが、79分にタバコビッチに同点弾を許し、PK戦で力尽きた。
(2)3大会連続W杯不出場は4度優勝の歴史を持つイタリアにとって前代未聞の事態。2018年スウェーデン、2022年北マケドニアに続く悲劇。
(3)ボスニアは12年ぶり2度目のW杯出場。プレーオフでイタリアを倒した自信をW杯本番に持ち込む。