日本代表は3月28日(現地時間)、キリンワールドチャレンジ2026でスコットランド代表とハンプデンパーク(グラスゴー)で対戦。44,644人の観衆が見守る中、84分に途中出場の伊東純也が決勝ゴールを挙げ、1-0で勝利した。W杯イヤーの初戦を白星で飾り、昨年11月のブラジル戦から公式・親善合わせて4連勝とした。
| 大会 | キリンワールドチャレンジ2026 |
|---|---|
| 対戦 | スコットランド 0 - 1 日本 |
| 日時 | 2026年3月28日(現地)/ 3月29日(日本時間) |
| 会場 | ハンプデンパーク(グラスゴー) |
| 観客数 | 44,644人 |
| 得点者 | 伊東純也(84分) |
若手中心のスタメンで挑んだ前半
森保一監督は、4月1日のイングランド戦を見据え、この試合では交代枠11人というレギュレーションを最大限に活用する「二部構成」の戦略を採用。前半は若手・準レギュラー中心のメンバーでスタートした。
3-4-2-1のシステムで、GKにはケガからの復帰戦となる鈴木彩艶。3バックに瀬古歩夢・渡辺剛・伊藤洋輝、ダブルボランチに藤田譲瑠チマ・田中碧、右WBに菅原由勢、左WBにはキャプテンマークを巻いた"凱旋"の前田大然が入った。2シャドーは初先発の佐野航大(フェイエノールト)と鈴木唯人、ワントップには20歳の大型FW後藤啓介(アンデルレヒトからシント=トロイデンへ期限付き移籍中)が初先発で抜擢された。
前半はスコットランドが勢いよく入った。8分、マクギンのクロスにマクトミネイが合わせたシュートは強烈だったが、GK鈴木彩艶が驚異的な反応でポストに弾き出す。この試合のMVPに選出される鈴木彩艶の、復帰戦とは思えない好セーブだった。
日本も徐々にリズムを掴み、37分には佐野航大のインテリジェントなレイオフから田中碧がサイドフットで狙ったが、シュートはクロスバーを叩いた。両チームともにゴールを脅かしたが、前半はスコアレスで終了した。
20歳の後藤啓介をワントップに、佐野航大をシャドーに初先発で起用。後藤は190cmの高さを活かしたポストプレーでチャンスに絡み、佐野は37分の田中碧のクロスバー直撃シュートをお膳立て。W杯本番までの約3ヶ月で「使える」選手の選択肢を増やす狙いが見えた。
後半——段階的な主力投入で攻勢を強める
後半、森保監督は段階的に交代カードを切り、チームの顔を一変させた。
| 時間 | IN | OUT |
|---|---|---|
| 46分 | 三笘薫、谷口彰悟、鈴木淳之介 | 佐野航大、渡辺剛、伊藤洋輝 |
| 62分 | 伊東純也、上田綺世、中村敬斗、堂安律 | 鈴木唯人、後藤啓介、前田大然、菅原由勢 |
| 77分 | 塩貝健人、橋岡大樹 | 藤田譲瑠チマ、瀬古歩夢 |
ハーフタイムの3枚替えで三笘薫が左サイドに入ると、突破力が格段に増した。さらに62分の4枚替えで伊東純也、上田綺世、堂安律、中村敬斗という攻撃の主力が一気に投入されると、日本は完全にギアチェンジ。67分に伊東がボックス内でスコットランドの守備を翻弄してシュート、70分には三笘がGKに阻まれるなど、怒涛の攻勢を見せた。
84分——決勝ゴールの場面を振り返る
スコットランドの守備陣が耐え続ける中、84分についに均衡が破れた。
三笘薫が中央から鋭い縦パスを送ると、左サイドに走り込んだ鈴木淳之介がワンタッチでクロス。中央の塩貝健人が巧みなタッチでボールを落とし、最後は伊東純也が冷静にゴール右隅へ流し込んだ。三笘→鈴木淳之介→塩貝→伊東という4人の連携で崩し切った、チームとしての完成度が光るゴールだった。
2023年以降、日本代表で6ゴール16アシストと最も多くのゴールに関与している選手の一人が伊東純也だ。この試合では62分からの途中出場で流れを変え、84分に決勝点。先発でもジョーカーでも機能する伊東の存在は、W杯本番で森保監督に多くの戦術的選択肢を与えることになる。
スコットランド側から見た一戦
スコットランドにとっても、この試合は6月のW杯に向けた重要なテストだった。スティーブ・クラーク監督は、マクトミネイ、ロバートソン、マクギンら主力を先発起用。8分のマクトミネイのシュートは決定機だったが、GK鈴木彩艶のファインセーブに阻まれた。
前半こそ互角に渡り合ったスコットランドだが、日本が主力を投入した後半は防戦一方に。最終的にシュート数8対18、枠内シュート3対7と、スタッツでも大きく水をあけられた。W杯本番までに攻撃面のテコ入れが急務であることが浮き彫りになった。
数字で見るこの試合
| スタッツ | 日本 | スコットランド |
|---|---|---|
| ボール支配率 | 55.1% | 44.9% |
| シュート数 | 18 | 8 |
| 枠内シュート | 7 | 3 |
| 期待ゴール(xG) | 2.14 | 0.87 |
| コーナーキック | 8 | 3 |
| セーブ数 | 3 | 6 |
| イエローカード | 2 | 0 |
今後の展望——イングランド戦、そしてW杯グループFへ
この勝利で日本代表は4連勝。W杯イヤーの初戦を最高の形でスタートさせた。次戦は4月1日にウェンブリーで行われるイングランド戦だ。スコットランド戦では「前半・若手テスト、後半・主力投入」の二部構成だったが、イングランド戦ではよりW杯本番を意識したメンバー・戦術が試される可能性が高い。
W杯グループFの初戦は6月14日のオランダ戦(ダラス)。残る1枠は3月31日の欧州プレーオフ(スウェーデン対ポーランド)で決定する。欧州の強豪との連戦は、グループステージ突破に向けた貴重なシミュレーションの場となるだろう。
(1)選手層の厚さ:若手中心の前半でもスコアレスに抑え、後半の主力投入で仕留める「二段構え」が機能。
(2)伊東純也のジョーカー適性:62分からの途中出場で決勝点。先発・途中出場の両面で計算できる切り札。
(3)鈴木彩艶の復帰:MVPに選出される好パフォーマンスでケガからの復帰を証明。W杯の正GK争いに大きなアピールを見せた。